まさかダンボールの話で泣けるとは
いぷ さん

ダンボール大好きでたまらないダーンボール・アーティストの島津冬樹が、お気に入りのダンボール(徳之島産じゃがいも)の生産者を訪ねて、ダンボールを里帰りさせ、「あなたのダンボールをこんなに愛してる人がいますよ!」というメッセージを伝えようというドキュメンタリー。
ドキュメンタリーにはドキュメンタリーの良さがあるけど、あんまり映画として面白いっていうイメージはない。だが本作は違う。映画のストーリーとして十分に面白い。主人公の島津冬樹のキャラクターがほわほわで、いい感じに肩の力が抜けており、見ててほっこりする。
そしてダンボールを訪ねて遡って行くに従って出会う人々が……みんないい顔している。じゃがいもの販売者の長崎・ききつ青果の社長さん。自社のダンボールデザインについて熱く語る。ダンボールを印刷している工場。九州森紙業株式会社。印刷の過程を見せてくれる。
工夫している点など。製版会社。相互製版株式会社。うちの製品はしっかりした知識に裏打ちされたデザインです、と切々と語る。そして最後に辿り着いた、そのダンボールをデザインした人は、もうだいぶ前に定年退職し、今は自宅で静かに暮らす日々。そこに島津冬樹が訪れる……ダンボールの話で、笑って泣けてほっこりしました。まさかダンボールの話で泣けるとは……いい映画。DVDが出たら欲しい。