後半シーンは忘れられません
さなだボンバイエ さん
片田舎を舞台に展開する家族愛を描いた作品です。
父親がいない家庭を支える少年ギルバートは鬱屈とした毎日の中でいつも気分が晴れません。知的障害を持つ弟の世話をしながらも一生懸命に大黒柱として家族のために働きます。
そんな彼がジプシーの少女と出会ったことで自分の世界をまた一つ広げいきます。思い出に残るシーンは肥満になって引きこもりになったギルバートの母です。車の助手席に乗れば車が傾くのは印象的でした。
引きこもりから脱しようと努力をし始めたタイミングで母は死んでしまいます。二階で亡くなってしまい、重すぎる母を運び出すのことは出来ません。棺桶にも入らない。
クレーン車でも呼ばないと遺体の始末ができないとなった時、ギルバートは母の葬式で騒ぎになることを恐れて家ごと燃やしてしまいます。
家まるごとが燃える後半シーンは忘れられません。若いギルバートの繊細な感情描写をした思い出の一作でした。