キャンドルを使った映像が幻想的
Lapin さん
クリスマスイブの夜に、東京が突然大停電になるところから始まるストーリー。
夫婦間での心のすれ違いや、数十年幸せに暮らしていた老夫婦が、突然の妻の告白により葛藤する様、不倫を清算した女性、過去につきあった女性を忘れることが出来ない男性、また、好きな男性に想いを伝えられずにいる若い女性。
しかし、その男性には心に残っている女性がいるなど、様々な問題、悩みを抱えた男女が、オムニバス形式でストーリーが進むにつれ、実は、どこかで繋がりがあるという設定。この構成は大好きです。
バーのマスターを豊川悦司さんが演じています。かなり前のテレビドラマの「愛していると言ってくれ」で、ろうあ者を演じたのですが、手話を使ってコミュニケーションを取る際の豊川悦司さんの指と手の美しさに、目が釘付けになりました。
ビル・エバンスの「ワルツ・フォー・デビー」が流れる中、キャンドルの明かりを灯しながら、暗がりでアコースティックベース(だと思ったのですが、少し前に見た映画なのでうろ覚えです)を弾く姿は、とても素敵でした。
いろいろな役柄を演じる優れた俳優さんですが、大人の色気を感じるのは私だけでしょうか。
原田知世さんも、10代の頃から活躍した女優さんですが、夫婦間の心の隙間を演じるような大人になったんだな・・・と感慨深い気持ちになりました。
田畑智子さんもいい演技をされていましたし、吉川晃司さんも個性的な演技が目を引きます。淡島千景さん、宇津井健さんは、人生の重み、抑えていた気持ちの表現がすばらしく、さすがだと思いました。
大停電の東京中で、キャンドルを灯した映像は美しいです。映画はよく見ていましたが、洋画しか見ませんでした。ですが、このところ邦画がとても面白くなってきました。これからもいろいろと見たいと思っています。