カルシファー、うちにも一人欲しい
フローレン さん
最初に劇場で観た時にはまずその前評判の高さやキャストさんの豪華さにわくわくしてました。
その期待の三倍以上の感動に翻弄されたのですが、二度、三度とリピートするうちに、物語の鍵となる存在の『火の悪魔』であるカルシファーにほれ込みました。
また、その周囲をぱたぱたと駆け回ってかいがいしく働いているハウルの弟子のマルクルとその声の主である幼い日の神木隆之介さんのお芝居と可愛らしさにきゅんきゅんして、大好きになりました。
壮大な物語ですが、ソフィーやハウルとともに囲む食卓はまるで疑似家族のようで、とても微笑ましく、そして何と言ってもベーコンや目玉焼きが何とも美味しそうで、目が釘付けになるのです。まるで画面から匂いが漂ってきそうなベーコンエッグ!
『ジブリ飯』という言葉もありますが、あの食べものの描写力は素晴らしいですね。物語のキャラクターたちが置かれた過酷だったりぶっ飛んでいる運命もひっくるめで、食べ物の前では等しく『生きている』という感じがしっかり描かれていて、とても好きなのです。
空を飛んでも、魔法を使っても、そんななかで彼らはあの家に帰ってきて、お風呂に入り、ご飯を食べて、ベッドで眠る。
そんな姿を見ると、自然に共感し、感情移入し、観ている側は気づくと物語の中に引き込まれていくんだろうな、と思うのです。カルシファー、うちにも一人欲しいです。