映画「言の葉の庭」の感想・評価・見どころは?似ている作品は?

監督: 新海誠
声優: 入野自由、花澤香菜

新海誠の傑作「言の葉の庭」は、雨の匂いと共に静かに心に滲み入る物語です。都会のざわめきを離れ、雨音に包まれた公園で出会った二人が、互いの孤独を共有しながら、言葉以上の深い理解を育む様子を、美しい映像と共に描いています。この映画は、人と人との繋がりの大切さを、優しくも力強く伝えています。

この記事では映画「言の葉の庭」の見どころや魅力などについて解説し、視聴者の口コミをまとめております。類似と思われる作品についても、いくつかピックアップしているので、ご興味のある方はぜひ参考にして下さい。

映画「言の葉の庭」の見どころは?

「言の葉の庭」は新海誠監督によるアニメーション映画で、主人公の男子高校生・秋月孝雄(声:入野自由)とヒロインのミステリアスな女性・雪野百香里(声:花澤香菜)の物語を描いています。

この映画の魅力は、雨の印象が180度変わる美しい情景とロマンティックな二人の関係です。新宿御苑という都会から少し離れた静かな場所、誰もいないはずの雨の日に巡り会う二人。木々が生い茂る中、東屋の周りをしとしと降る雨はまるで東屋を覆うカーテンのように見え、ふたりだけの特別な空間を演出しています。

物語を彩るピアノの音色と風情豊かな映像が相まって、ふたりの出会いと交流がロマンチックに感じられることでしょう。雨の日にしか会えない年の離れた二人の関係性にも引き込まれます。タカオの将来の夢を後押ししてくれたユキノと、ユキノの過去の苦しみを和らげてくれたタカオ。毎朝起きる度に雨が降っていることを祈るふたりは、次第に相手が自分にとって必要な存在だと気づくのです。

映画の主題歌『Rain』は、秦基博によるカバー曲で、雨の街角での男女の別れを歌い上げた切なく美しいラブソングです。前奏のピアノの音が一粒一粒落ちていく雨粒のように美しくて、ぐっと曲の世界観に引き込まれます。

メロディーもキャッチーで一度聴いたら頭から離れません。秦基博の切なさと深みのある中低音ボイスが胸を打ち、サビの「行かないで 行かないで」の繰り返しが切なくて、胸の奥がぎゅっと締め付けられます。流れるタイミング、映像とのマッチングもばっちり。

映画のクライマックスを一気に盛り上げて、感動に誘ってくれることでしょう。この映画は、互いにそばにいてほしい二人の“孤悲”と繊細に描かれた情景描写、切なくも希望を残した結末がしみじみとした感動を与えてくれる作品です。

映画「言の葉の庭」を見た人の口コミまとめ

映画「言の葉の庭」を見た人たちの口コミを簡単にまとめてみました。ざっと次のような感じです。

  • 雨の描写が美しい。
  • 出会いの素晴らしさが描かれている。
  • 新宿御苑の美しさが印象的で、訪れたくなる。
  • 音楽や声優陣も素晴らしい。
  • 短い尺ながらも、しっかりとした物語が展開されている。

映画「言の葉の庭」に似ている映画は?

映画「言の葉の庭」に似ていると思われる映画をいくつかピックアップしたいと思います。どの作品も、人間関係の繊細さと、運命の不思議さを描いており、視覚的な美しさと共に心に残る作品です。

秒速5センチメートル

新海誠監督の「秒速5センチメートル」は、切ない恋心と時間の流れを描いた作品です。青春時代の甘酸っぱい記憶と、時間がもたらす変化を感じさせる映画で、「言の葉の庭」と同じく、美しいビジュアルと心に響く物語が特徴です。

天気の子

映画「天気の子」は、天候を操る力を持つ少女と、彼女に心を寄せる少年の物語です。新海誠の映画らしい、繊細な感情表現と圧倒的な映像美が魅力で、「言の葉の庭」と共通する美学と感性を持っています。

雲のむこう、約束の場所

映画「雲のむこう、約束の場所」は、遠い未来を舞台にした青春SFストーリーです。新海誠監督の初期の作品でありながら、彼の映画特有の美しい背景画と、深い感情を描くストーリーテリングが「言の葉の庭」と通じる魅力を持っています。

映画「言の葉の庭」みんなの感想・評価

映画「言の葉の庭」を見た人たちの感想・評価です。

評価の平均:5.0 5.0 (2件)

シンプルに美しい映像は必見

ニックネーム:ルーヴル さん

評価:5

まずはシンプルに美しい映像は必見。新宿御苑や周辺がメインに描かれるが、光の重なりや緑のみずみずしさ、雨の描写などディテールに驚かされる。

靴を作ることだけに情熱を捧げ、靴職人を目指す高校生のタカオ。自分をごまかしながら人生の歩き方を模索している女教師ユキノ。

タカオの高校生らしい純粋で一途な恋と自分の気持ちを押し殺しているユキノの関係が古典や靴・歩き方などさまざまなキーワードを伏線にして進んでいく。

タカオの告白を断り、しかし自分の気持ちに気づきタカオを追いかけるユキノが出会うラストシーンは、罵声を浴びせなければならないタカオの悔しさや優しさ、それを受けるユキノの感謝や申し訳なさ、まさに二人のさまざまな感情の爆発とも感じ取れる。

40分ほどの短い作品だが、コンパクトにストーリーがまとまっており、無駄がないからこその長さである。

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ユキノとタカオの出会いが、それぞれの明るい未来を照らし出す。

ニックネーム:えきた さん

評価:5

心に傷を持ったユキノが、タカオと交流を続けるうち、徐々に自分を取り戻していく姿にすがすがしさを感じました。年齢や立場が違っても、気持ちが通うことってあるんですね。

ふたりの不思議な関係がとても微笑ましくて、応援したい気持ちに。タカオは高校生にして、もうしっかりと自分のやりたいことを見つけて大人っぽかった。そんなタカオだから、ユキノの気持ちを前向きに変えられたんだと思います。

タカオもユキノによって、自分の将来に自信を持てるようになった。ふたりの、恋といえるのか分からないような淡い気持ちが、いとおしくて繊細な輝きを感じました。まるで雨や草の香りが感じられるような、美しい映像も魅力です。

最後は、またいつかユキノとタカオが再会できる新しいステキな展開を想像しました。

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まとめ

映画「言の葉の庭」の見どころを解説し、実際に映画を見た人たちの感想や評価を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

この映画は、美しいアニメーションや音楽に感動する方、また深い人間ドラマやロマンスが好きな方におすすめです。新海誠監督の独特の世界観や美術に魅了される方、また雨の日の情緒を楽しむことができる方にも特におすすめです。

一方、アクションやスリルを求める方、または明確な解決を望む方にはあまりおすすめできません。物語は比較的静かで、結末はあいまいで開かれたものです。また、映画のテーマやメッセージを深く考えることを好まない方には、少々難解に感じるかもしれません。

それでも、「言の葉の庭」はその美しさと感動的なストーリーで多くの視聴者を魅了しています。